取組事例Our Approach
2022
難しかったPOMの真空ボイド予測が高精度で可能に:
独自の解析技術で貴社の設計開発をサポートします
ポリプラスチックスは、DURACON® POM製射出成形品に発生するボイド※1をCAE解析で予測する技術を開発しました。本技術によって、ボイドの発生リスクを金型起工前に予測することが出来るため、試作回数を削減し開発サイクルの短縮やエネルギー使用量の削減に貢献可能です。
※1 : 成形不良のひとつで、成形品の厚肉部に空洞ができている状態
成形不良のひとつであるボイド
射出成形品の肉厚中心部近傍に空隙が形成される現象があり、それらはひけ巣やボイドと呼ばれています。従来は流動解析で出力される体積収縮率などのパラメータを用いてボイド発生予測を行っていましたが、実際の現象を再現できない等、精度面で問題がありました。
一方、試作品や上市品の不良原因解析などについてはX線CT等に代表される非破壊内部観察装置の普及によりボイド発見が容易となり、ボイドの制御に関する飛躍的な技術の向上が期待されています。
従来手法と比較して高精度にボイド発生予測が可能に
今回開発した新技術は、流動解析と構造解析を連成させる事で樹脂固化過程の収縮率や弾性率、圧力の分布を考慮し、成形品内部の発生ひずみからボイドの発生を予測する全く新しい手法です。金型を起工する前に高精度にボイドの発生予測ができるため、開発サイクルの短縮、製造開発コストの削減やシミュレーションに要するエネルギー消費量の削減が期待できます。
以下の図中の解析結果は、当技術を利用した事例です。ボイド発生予測結果に示した青箇所と実験結果の赤箇所は概ね一致しており、良好な予測精度であることが確認されています。他にも様々な形状にてその実力検証を実施しています。
<開発技術(流動、構造解析連成)>
テクニカルサービスの一環として:ボイド発生予測技術に関する相談受付中
本技術を活用し、お客様の製品開発を設計段階からサポートします。またボイド発生予測技術を応用した、ヒケ※2発生予測技術などの新たなソリューション技術開発も進めております。
成形品の形状におけるボイド発生予測のご相談、ボイド発生に関する実験的考察など、ご相談・ご要望等ありましたら弊社の営業担当、もしくは画面右上の「お問合わせ」からお問い合わせください。
※2 : 製品表面に発生する窪み変形