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2023

Products

2023.02.13

ミリ波レーダー向け導電DURANEX® PBT新グレード:レドーム材との二重成形を可能としコスト削減に貢献

 

 

当社は、ミリ波レーダー向けの導電グレードDURANEX® PBT 201EBを上市しました。201EBは導電性を付与しているため、その付随効果として電磁波しゃへい(吸収)の機能を有します。また、電磁波吸収材に201EBを用いることで、PBT樹脂製のレドーム材と二重成形が可能になり、組立工数を簡略化することができます。そのためコスト削減に繋がる素材ともいえます。

 

 

自動車の運転支援システムを構成する主要センサー

ミリ波レーダーはミリ波帯の電波(電磁波)の送受信により、前方車両など対象物との距離・速度・角度を測定するセンサーです。悪天候や夜間でも正確に距離等を把握できるため、後側方を含め車両の周辺監視にもミリ波レーダーを使用するケースが増えており、市場が急拡大しています。

当社では、ミリ波レーダーへの採用に向け「2つのアプローチ」でみなさまの工程コスト低減と、設計自由度の向上に貢献します。

 アプローチ1:電波吸収材にPBT樹脂を用いることで設計自由度を向上:導電グレード
 アプローチ2:レーザー溶着による小型化の実現:レドーム向けグレード

 

電波吸収材にPBT樹脂を用いることで設計自由度を向上:導電グレード

電磁波を透過するレドームの裏側には、電磁波吸収材を部分的に設置するケースが多く見られます。電磁波吸収材を設置することでミリ波の反射ノイズを減らし、ゴーストの発生を抑制する(検知精度を高める)効果があります。一方で従来のゴム製の電磁波吸収体は、レドームの裏に貼付する工程が必要となり、工程の簡易化が課題でした。
DURANEX® PBT 201EBは、レドームと同じPBT樹脂をベースとするグレードであり、レドームとの接合性に優れます。たとえば二重成形のような方法を用いることにより、レドームと電磁波吸収材の接合工程を簡易化できます。

 

レーザー溶着による小型化の実現:レーザー透過グレード

レドームやハウジング材料には、安定した電波透過性や寸法安定性の観点から、PBT樹脂が多く選定されています。またそれらの締結部には気密性が必要なため、パッキンや接着剤の使用、もしくは溶着等の接合が用いられます。近年は小型化が可能なレーザー溶着による接合が注目されています。
レーザー溶着は透過側(レドーム)からレーザーを透過させ、吸収側(ハウジング)で吸収・発熱させて溶着する技術です。透過側の材料には、高いレーザー透過率と低そり性が求められます。当社では各種特性のバランスが良いDURANEX® PBT 730LWと、レーザー透過率がより高く、マルチスキャン方式のレーザー溶着にも対応できるDURANEX® PBT 330LWをご用意しており、ニーズに応じて最適な材料を選択いただけます。
※レーザー溶着材料の詳細に関してはこちらの記事をご参照ください。
 https://www.polyplastics.com/jp/product/lines/pbt_330lw/index.html

 

 

以上のように、電磁波吸収材に201EBを用いることで、ゴースト低減や工程の簡易化が可能となります。またレドームに730LW, 330LWを用いることでレーザー溶着による小型化が目指せます。 

本グレードの物性データや各種特性はダウンロード資料をご確認ください。また詳細につきましては、弊社営業担当、もしくは画面右上の「お問合わせ」からお問合わせください。

 

 

【関連情報】
高透過率・低そり性に優れた新レーザー溶着グレード DURANEX® PBT 330LWのご紹介(2022/04/27版)
ADAS部品向け材料・技術紹介 ~センサー編~

 

【物性表】
 ◆ 201EB  ◆ 330LW  ◆ 730LW

 

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